介護業界でよく使われる用語として「ADL」があります。「生活を営む上で、日常的に行っている動作」であり、例えば部屋を移動したり、トイレでの排泄や入浴をしたりすることを示しています。健康な人であれば、このような動作に意識を払うことはほとんどないでしょう。一方で、高齢者や障がいのある人の中には、自立して行えない人もいます。ふと「トイレに行きたい」と思っても、一人ではままならないことで不自由やストレスを感じますし、同居する家族も24時間の付き添いが欠かせなくなって大変な負担となる恐れがあります。
ADLという指標は、このような問題を食い止めるためにも、介護およびリハビリの観点でもよく用いられます。例えば、「現時点では自分一人で歩行することが可能」という高齢者に対して、その後もADLを低下させずに生活するために必要な、歩行訓練や生活の介助などを検討するようなケースです。「今はまだ、自立しているから」と判断して一切の支援を行わない場合、「一人では出かける気がしない、買い物が面倒だ」というネガティブな考えを招き、栄養失調や足腰が弱って歩けなくなるという残念な結果に繋がりかねません。現状だけにとらわれず、「ADLを維持するために必要な介護サービス」などを意識して考えることが、本人および介護する周囲の人間の全員の負担を減らす可能性があると言えるでしょう。そして「ADL」に関しての知識をそれぞれが深めていくことが重要になるとも思うので、「ADLを正しく知ろう!」このようなサイトで是非見識を広めていってください。